初恋の行方〜謎の転校生〜

「紗耶香さん、今日のところはお引き取りを。後日改めて挨拶に伺いますから」


お祖父様にそう言われ、

「こ、こんな事、信じられませんわ!」

と本庄さんは叫びながらも、スクッと立ち上がってスタスタと部屋を出て行った。


「律子さんと言ったかな?」

「は、はい」

「貴女も出て行きなさい。荷物をまとめて」

「はあ? なんでですか?」

「主に黙って勝手な行動をする使用人は、置いておけんからだ。貴女を解雇する」

「う……」


律子さんは悔しそうに唇を噛み、お辞儀もせずに部屋を出て行ってしまった。


「ちゃんと人を見て雇いなさい」

爺やさんはお祖父様からそう言われ、「も、申し訳ございません」と頭を下げた。


お祖父様って、やっぱり恐いわ……