初恋の行方〜謎の転校生〜

「おまえは、好きでもない女性と結婚しようとしていたのか?」


「そうですよ。祖父ちゃんが決めたからじゃないですか?」


「それは済まなかった。おまえ達は愛し合ってると、そこのメイドが言うから、わしは安心していたんだ」


「律子さん……」

隼人さんが律子さんに向かって言うと、


「わ、私は事実を言ったまでです」

「それは見た目の話でしょ。俺の気持ちは違うって、律子さんには話したはずです」


「馬鹿者!」


またお祖父様が怒鳴られた。

「おまえは、好きでもない女性と、その……ゴホン。嘆かわしい。わしは育て方を間違えたらしい」


「祖父ちゃん……?」


「紗耶香さん。わが孫ながら、こんな不誠実な男と結婚したらいけませんぞ。貴女が不幸になる」