初恋の行方〜謎の転校生〜

次の日の日曜の夜。私は隼人さんの家にいた。


「緊張してる?」

「う、うん……」

「無理もないよな?」


そう言って、隼人さんは私の肩を軽く揉んでくれた。


運転手の黒崎さんも、執事の爺やさんも、メイドの律子さんも、この家の隼人さん以外の全員が、私に敵意を持ってるように思えてならなかった。


「さあ、対決だ」


隼人さんがそう呟くと、それを合図にしたかのように、爺やさんが重厚な木の扉をノックした。

隼人さんのその低い声に、彼も緊張している事がわかった。


「入りなさい」


部屋の中から低い男性の声がして、隼人さんと私は中へと入って行った。