初恋の行方〜謎の転校生〜

「会いたいな……」


『会おう?』


「ほんとに!? いつ? どこで?」


『今すぐ、ここで……』


「え? どういう事?」


『カーテン開けてみろよ』


「う、うん……」


私は窓のところへ行き、片手でカーテンをシャッと開けた。


「う、うそ……!」


家の前に、携帯を耳に当てながら、こちらを見上げる隼人さんが、いた。


『おまえからの電話を待ちきれなくて、ここまで来ちまったよ。俺、カッコ悪いだろ?』


「ううん、そんな事ない。すぐ行くから、待ってて? どこにも行かないでよ?」


『ああ、待ってるから、慌てんな。階段から落ちたりすんなよ?』


「うん!」


私はダウンのコートを羽織り、階段をまたドタドタと駆け降りて行った。階段を踏み外さないよう、注意をしながら。