初恋の行方〜謎の転校生〜

「昨日はごめんなさい。怒ってる?」


『ああ』


やっぱり、怒ってるんだ……

涙がジワッと溢れてきた。


「わ、私のことなんか、もう……」


『遅えよ』


「え? あ、もう手遅れだよね?」

鼻水が出て来て、私はそれをズズッとすすった。


『なに泣いてんだよ? 電話するのが遅いって言ったんだよ』


「え?」


『おまえ、なに余裕出してんの? 俺だけ余裕なくて、ムカつく……』


「え? それって……え? 私だって余裕ないよ? 餓死して死んじゃおうかと思ったもん」


すると隼人さんは、クスクスと笑った。何が可笑しいんだろう……


『おまえさ、餓死した時点で死んでるだろ?』


「あ、そうか……」


『だったら、あんな強がり言うなよな? バーカ』


「バカじゃないもん。あ、やっぱりバカかも……」


隼人さんは電話の向こうでまたクスクス笑い、私もつられて笑ってしまった。