誰にも相談出来ず、悩んでばかりの日々が続いた。


本庄さんが予告した通り、今週を最後に、来週から柏木君達は青蘭に戻る事になったと、私は柏木君から聞いた。


そして金曜日。

いつもの待ち合わせ場所の公園に向かう私は、ある決意を胸に秘めていた。



「ねえ?」

「ん?」

「今日、私の家に来てくれない? 母は出掛けてて、夜まで帰って来ないから……」

「え? いいのか?」

「うん……」

「わかった。行くよ」


勇気を出して言ったものの、その後は恥ずかしくて、柏木君の顔を見られなかった。


柏木君も無口になり、二人とも殆ど無言のまま、私の家に帰って来た。


無人の家のドアを開け、柏木君に入ってもらうと、真っ直ぐ2階の私の部屋に彼を案内した。


「案外綺麗にしてるんだな」


部屋を見渡しながら、柏木君はそう呟いた。

それはそうだろう。今日のために掃除したのだから。それと、ベッドのシーツと枕カバーは、今朝出掛ける前に、新品と取り替えておいた。