「一年ぐらい前に、俺は紗耶香さんに引き合わされたんだ。そして祖父さんから、将来紗耶香さんと結婚しろと言われた。俺は特に断る理由もなかったから、承諾しちまったんだ」
「本庄さんは美人だし、お金持ちのお嬢様だから?」
「それもあるけど、今までの俺は、祖父さんに逆らわなかったんだ。祖父さんの言う通りにしていれば、何も不自由せず無難に生きていけるから、それでいいと思ってたんだ」
「じゃあ、本庄さんの事は好きではないの?」
「嫌いではないけど、好きでもない。そういう目で彼女を見た事がないんだ」
「本庄さんはどうなの?」
「というと?」
「本庄さんは柏木君のこと、どう思ってるのかな?」
「俺と同じだろうな。親から言われたから、俺を結婚の相手として見ていた。ただそれだけだと思うよ」
「そうかなあ……」
私には到底理解できない。好きでもない人と結婚するなんて。
でも、そう考えると、柏木君が浮気しても許すと言った本庄さんの言葉が、理解できる気がした。
「本庄さんは美人だし、お金持ちのお嬢様だから?」
「それもあるけど、今までの俺は、祖父さんに逆らわなかったんだ。祖父さんの言う通りにしていれば、何も不自由せず無難に生きていけるから、それでいいと思ってたんだ」
「じゃあ、本庄さんの事は好きではないの?」
「嫌いではないけど、好きでもない。そういう目で彼女を見た事がないんだ」
「本庄さんはどうなの?」
「というと?」
「本庄さんは柏木君のこと、どう思ってるのかな?」
「俺と同じだろうな。親から言われたから、俺を結婚の相手として見ていた。ただそれだけだと思うよ」
「そうかなあ……」
私には到底理解できない。好きでもない人と結婚するなんて。
でも、そう考えると、柏木君が浮気しても許すと言った本庄さんの言葉が、理解できる気がした。



