初恋の行方〜謎の転校生〜

「おいしい……」

「そうか? 止まったみたいだな」

「え?」

「涙」

「ああ。うん、ごめんね?」

「何があったんだよ?」


柏木君はまた真剣な顔でそう聞いてきたけど、やっぱり本庄さんとの事は言えなくて、「何もないよ」と私は答えた。


「本当に? あいつらにまたいじめられたんじゃないのか?」


「違うけど、佐藤君達のこと、そんなに気になるの? どうして?」


「そりゃあ気になるさ。またあんな事があったら困るだろ? 俺はもうすぐあの学校からいなくなるから、おまえを守ってやれないし……」


そういえば、本庄さんは来週から青蘭に戻ると言っていた。それを柏木君に聞いてみたいけど、それをすると本庄さんから聞いた事がばれちゃう。


「だから、なるべく目立たないようにしてんだぜ?」


え?