「そんな隼人さんの将来を、あなたのためにダメにしちゃうわけには行かないでしょ?」


私は、何て答えていいか分からなかった。


「隼人さんは、いずれは柏木家の当主になる人なの。いくつもの会社を経営する柏木グループのトップよ?
そう言っても、あなたには想像もできないでしょうけども。

そんな隼人さんの伴侶は、あなたでは務まらないって事、解るかしら?」


「それは……」


「あら、わたくしったら長くお喋りしすぎましたわね。隼人さんが怒るといけないから、もう行っていいですわ」


「はい、では……」と私が車を出ようとしたら、

「今のお話、隼人さんには言わない方がよいですわよ?」

と本庄さんは言った。


「わたくしは構わないけれど、隼人さんは短気だから、きっと怒りますわよ?

あ、そうそう。来週から青蘭に戻る事にしますから、そのおつもりで」