「あなた、隼人さんのお母様に会ったの!?」
しまった……。つい頭に来て、柏木君のお母様を庇ってしまった。
あんな素敵なお母様を“惨めな女性”なんて思えないし、そんな言われ方が許せなかったから。
でも、私がお母様に会った事は、本庄さんにはたぶん黙っていた方が良いだろうと思う。
「それは……。本庄さんはどうなんですか? 会った事あるんですか?」
本庄さんが柏木君のお母様と会った事がない、という事は知っていたけど、私への追求を逸らすために、敢えてそう聞き返してみた。
「な、ないわよ」
「だったら、惨めかどうか分からないと思います」
「いいえ、惨めに決まってます。貧乏な男と結婚して、子供の医療費も払えず、終いには子供と離れ離れになって……
惨め以外のなにものでもないでしょ?」
私は返す言葉がなかった。
“惨め”とは思わないけど、離れて暮らすお母様も柏木君も、確かにお気の毒だと思ったから。
しまった……。つい頭に来て、柏木君のお母様を庇ってしまった。
あんな素敵なお母様を“惨めな女性”なんて思えないし、そんな言われ方が許せなかったから。
でも、私がお母様に会った事は、本庄さんにはたぶん黙っていた方が良いだろうと思う。
「それは……。本庄さんはどうなんですか? 会った事あるんですか?」
本庄さんが柏木君のお母様と会った事がない、という事は知っていたけど、私への追求を逸らすために、敢えてそう聞き返してみた。
「な、ないわよ」
「だったら、惨めかどうか分からないと思います」
「いいえ、惨めに決まってます。貧乏な男と結婚して、子供の医療費も払えず、終いには子供と離れ離れになって……
惨め以外のなにものでもないでしょ?」
私は返す言葉がなかった。
“惨め”とは思わないけど、離れて暮らすお母様も柏木君も、確かにお気の毒だと思ったから。



