「彼、美咲に気があるんじゃない?」


「へ? 何でそうなるの?」


「何でって、ガン見してくるんだからそう考えるのが自然なんじゃない?」


「ないない。絶対にそれはないって……」


「そうかなあ」


理恵には分からないのかなあ。
柏木君の私を見る目が、どんなに冷たいかを……


あれは私に好意を持ってる人の目では断じてないと思う。


私の事が嫌いか、憎んでいるかだと思う。そう、憎んでる目だ。憎悪に満ちた冷たい視線。


でも、何で?

今日会ったばかりなのに……


「それにしてもすごい転校生達が来たね? 美男美女がカップルで、だもんね?」


「うん、確かに……」