初恋の行方〜謎の転校生〜

私がボーッと立ってたのが、柏木君はそんなに気に入らなかったのかしら?


でも、そんな事ぐらいで怒るものだろうか?
かと言って、他に柏木君に嫌われるような原因に心当たりはないし……


“私の何が気に入らないんですか?”


そう聞いてみたいけど、そんな勇気、私にはない。



1時間目の授業が始まっても、私は全く授業に集中出来なかった。
なぜなら、柏木君が私を見るから。


私はあえて気付かないふりをして前を向いていたけど、視界の角で、柏木君が冷たい目で私を見ている事に気付いていた。



長い授業が漸く終わると、私はすぐに席を立った。


そして柏木君の纏わり付くような視線から逃げるように、私は席を離れて行った。