「柏木隼人君だ」
(“カシワギハヤト”? やっぱり、悠人君じゃないんだ……)
転校生の彼が悠人君にそっくりな別人と判り、私はがっかりするのと同時に、ホッとしていた。
私を氷のような冷たい目で見る彼がもし悠人君だったら、きっと私は悲しい気持ちになっていたと思うから。
「女子の名前は本庄紗耶香さんだ」
先生のその声で、私は初めて女子の方の転校生をまともに見た。
「本庄です。よろしく」
と言って上品に上半身を前に傾けた彼女は、いかにも育ちの良いお嬢様という感じがした。
そう言えば、柏木君の方はご挨拶したのだろうか?
私をジッと睨んでいただけだったような気がする。
ボーッと立ってた私が、そんなに気に入らないのだろうか……
私は柏木君の視線に耐え切れなくなり、下を向いてしまった。
(“カシワギハヤト”? やっぱり、悠人君じゃないんだ……)
転校生の彼が悠人君にそっくりな別人と判り、私はがっかりするのと同時に、ホッとしていた。
私を氷のような冷たい目で見る彼がもし悠人君だったら、きっと私は悲しい気持ちになっていたと思うから。
「女子の名前は本庄紗耶香さんだ」
先生のその声で、私は初めて女子の方の転校生をまともに見た。
「本庄です。よろしく」
と言って上品に上半身を前に傾けた彼女は、いかにも育ちの良いお嬢様という感じがした。
そう言えば、柏木君の方はご挨拶したのだろうか?
私をジッと睨んでいただけだったような気がする。
ボーッと立ってた私が、そんなに気に入らないのだろうか……
私は柏木君の視線に耐え切れなくなり、下を向いてしまった。



