「隼人さん、あなた本当に川島美咲に復讐しに来たの?」


「そ、そうですよ。何言ってるんですか?」


紗耶香さんに真剣な顔で聞かれ、俺はそう答えながらも、思わず目を逸らしてしまった。


「それは嘘だわ。嘘じゃないとしたら、気付いてないだけよ」


「何にですか?」


思いもよらない事を言われ、俺は紗耶香さんを見たが、今度は彼女が目を逸らし、前を向いて淡々と話し始めた。


「あなたがここに来た本当の目的は、川島美咲に会うだけのためって事よ。
あなたは弟さんが惚れた女の子に、すごく興味が湧いたんでしょ?
というか、弟さんの日記を通して、あなたも川島美咲に惚れたのよ」


「な、何言ってるんですか!」


「違ったかしら?」

そう言って、紗耶香さんは挑戦的な目を俺に向けた。


「違うに決まってるじゃないですか。バカバカしい」


「じゃあ、実際にあの子に会ってみて、どう思ってるの?」


「べ、別に……」

と言ったものの、紗耶香さんの視線に耐えられず、俺は目を逸らしてしまった。