初恋の行方〜謎の転校生〜

「この二人はな、何と青蘭(せいらん)学園からの転校生だ」


先生は“どうだ、驚いたろ?”という顔でそう言うと、教室全体から“おおー”というどよめきが起きた。


それもそのはずで、青蘭学園と言えば、御曹司や令嬢だけが通う事を許された高校として、全国でも有名な学校だから。たしか皇室の子息や令嬢も通っていると思う。


青蘭大学という大学もあり、私は知らないけど、たぶん青蘭学園の生徒はエスカレーターでそこへ上がって行くんだと思う。


そんな学校から、彼らはなぜこんな平凡な学校に編入して来たのか。それは私も不思議に思うけど、それよりも今はもっと気になる事がある。


それは間もなく明らかになるはずで、私はその時を緊張しながら待っていた。


「では二人を紹介しよう。まず男子の方だが、名前は……」


(いよいよだわ……)


私は唾をゴクンと飲み込んだ。