そんなこと、もう知ってる。

その通り。


いきなり何言い出すんだろう。


片手に握りしめていた携帯電話。


華恋からの返信を逃したくなくて握っていたけど、


俺の手はポケットにしまい込む。


着ているコートは厚いわけで、バイブには気づきにくい。


「自分でもよくわかんないんだけどね、俺、直ちゃんの彼氏だよ?
ほかでもない特別な関係」


......へぇ、。


ほかでもない特別な関係、か。


「だからこそ、欲張っていいっていうかなんというか」


「和也くん...」


「他の男にはできないこと、俺にしてよ」


前々から言おうと決めて練習していたぎこちないセリフを読み上げるようにではなく、するりと。


勝手に口が動いて、それを直ちゃんに伝える。