そんなこと、もう知ってる。

口元を尖らすのは、拗ねてる合図だと。


「勇気出して言ったことを彼氏に断られたんじゃないんだし」


勇気出したのは本当だったかもしれなけど。


自分の、状況の例え方に驚いた。


なんだよ"彼氏"って。


「...相手は兄ちゃんなんだから、もっと堂々としろよ」


「だって...」


窓から差し込む夕日。


微妙な俺と華恋の間を、夕日がオレンジ色に染めている。


オレンジの太い直線が、家の中を通る。


「一緒に食べよ?」


「まぁ、どっちでもいいけど」


素直に"うん"とは言ってくれなかった。


可愛げのない妹。





時計は20時を上回る。


2人でご飯を食べ終わっても、華恋が入った後に俺が風呂に入っても。


母さんはまだ帰ってきてない。


父さんが帰ってくると言ってた21時半になっても、家の中にいるのは俺と華恋だけ。