そんなこと、もう知ってる。

華恋がキッチン行く前はソファーの端と端に座ってたのに、今、華恋は端に座らなかった。


真ん中より、少し右寄りに座った。


俺は、それに気づかないフリをする。


「お母さん、夜ご飯作ってくれてるって言うからさ...」


まだ言葉の続きがあるだろうに、なぜか言葉を止めた華恋。


言いにくいことなのか、と少しは考えてやる。


言おうとしていることはわかる。


でも、俺が言ってしまうより、華恋に言わせたほうが面白味がある。


続きの言葉を待つことにした。


手をつけていないコーヒーカップを見つめ...数秒経つと華恋は言ってくれた。


「じ..時間になったら、一緒に食べようよ」


予想通りの言葉が来た。


それが嬉しい。


予想してたことが現実になったっていうからじゃなくて。


「うーん...嫌だな」


華恋に誘ってもらえたってことが嬉しかった。


俺が言ってすぐ変わる、瞳の色。


黒く澄んだ目が、俺に哀しさを訴える。