そんなこと、もう知ってる。

「だな」


俺は、華恋が出てきたリビングに行く。


華恋もリビングについてきた。


ソファーの左端に座った俺と、ソファーの右端に腰をかけた華恋。


「母さん、今日遅いの?」


「うーんと...8時頃ってメール来てたかな」


8時...


俺は母さんのしてる仕事をほとんど把握してなくて、いつもと違う帰宅時間や、突然の夜勤の理由がわからない。


「まだまだか...」


俺の腕時計の指す数字は、今日2回目の『4』。


つまりは16時。


母さんの帰ってくる時間が遅くなったのは今までに何度かあるけど、ここ2ヶ月はなかった。


「...つまんないね、帰ってくるまで」


制服のブレザーを脱ぎながら、華恋は言った。


華恋、帰ってきたばっかだったんだ。


いつもはない華恋の学校の鞄が、今日はソファーの前に置いてある。