そんなこと、もう知ってる。

華恋の靴だけが玄関にぽつりと置いてあって、母さんの靴はない。


俺は、1人だけ寂しそうな華恋の靴の隣に、自分の靴を並べた。


華恋と自分の靴を隣り合わせにしておきながら、俺はある心配をする。


「でも、兄妹でこういうのはやめ、って夕べ言ったろ?」


やれやれ...とでも言いそうな態度をとる俺に対し、華恋はヘラヘラとしていた。


「兄妹でやめる"こういうの"ってさ、夜のことだけじゃん。こうして仲良くするくらい、兄妹として当たり前でしょっ」


...そうだ。


華恋が全て正しい。


母さんがまだ帰ってきてないということも、今のことも。


やめにしようと約束したのは、夜のことだけ。


兄妹仲良くすることは許されている。