(りっちゃん何考えてるの?)

菜子には律が理解できなかった。

急に家に来いなどと言い出すし。

美香の事だって……

(美香は私達の友達だよね?)

遊んでた日の記憶を辿る。

どこに行くのにも美香は一緒だった。

(嘘とか、幻とかじゃない。)

言い聞かせるように呟く。

ふと、思い出した。

春菜の事を。美香と似ている春菜の事だ。

綺麗で雰囲気も同じ。

姉妹だから仕方ないが、春菜に嫉妬していた自分がいた。

あの時。

春菜を見る律の目。

美香と重ねていたのだろうか。

切なそうに春菜を見る目。

悔しかった。

自分が美香の代わりになれると思っていたのに。

律は美香の事を忘れたのだと思ったていたのに。