「おい、花火の準備できたか?」

「大丈夫だよー。ねえ、ねえ、どんな花火持ってるの?」

俺の腕に頬を寄せてくる美香。

距離があまりにも近いので意識しすぎて………

「ほら。こんなやつ。」

ぶっきらぼうになってしまう。

「うわー!!凄い!!楽しみー。」

「もうすぐしたら守達も来るって。」

事の始まりは美香だった。

数時間前……

来週から学校が始まるので課題を終わらせていたら携帯が鳴った。

ディスプレイには守の名前。

面倒だと思いつつも携帯を開く。

出なきゃしつこいし。

「……はい。」

『もしもし?何かさ美香が花火したいって言い出したんだよ。』

「俺無理。祐二と菜子でも誘って。」

『断るの早いな(笑)話しくらい聞いてくれよ。』

今更花火?馬鹿な事言うな。

俺には課題と言う敵が残ってるんだよ。