君がくれたもの

身を小さくしギュッと服を掴む。

(だ、誰か喋ってよ。)

「菜子、偉いねー。」

温かいものが頭の上を撫でるのがわかる。

優しく。優しく。

小さい手がゆっくりと。

「美香……」

つい声が出てしまった。

心地好いその笑顔。

ふわふわとした喋り方。

その様子を見て三人も、元に戻る。

「菜子から謝るなんて…俺が最初に謝ろうって思ってたのに。」

祐二がもどかしそうに、菜子の目を見て言う。

ちょっとだけ、気まずそうに。

「ごめんな、あんな酷い事言って。」

(えっ?祐二が謝ってくれた?)

「う、ううん。私も悪かったから。」

あまりの事に身構えをしてしまい、オドオドと返す。

(まさか、あの祐二が……)

内心は焦っていた。

いつもの祐二なら謝る事もないし、逆に笑ってた。

返ってこんな事になったのが驚いてしまい力が抜ける。