君がくれたもの

そんな気持ちとうらはらにも時間は過ぎていく。

「お茶持ってきた。」

「悪いな、祐二。」

と律は一人一人にお茶を渡していく。

「私も手伝うよ。」

すかさず口を挟んで律の手元に手を伸ばした瞬間だった。

「いいって、俺がするから。」

「う、ん。」

いつもの律じゃないようで、何だかとっても優しくて、

(びっくりした……)

高鳴る気持ちを押さえ律の方を見た。

視線に気づかないのか楽しそうに祐二と話しをしている。

守と美香は二人して宿題の答えを必死に写してて。

「あ、あの。この前は……そ、の。ごめんなさ……い。」

シーン

違和感があるかのように空気が流れてく。

今までの菜子だったら絶対に言わなかった。

ましてや、恥ずかしがって自分からものを言うなんて……

(は、恥ずかしい。)