どうやら緊張の糸が途切れたことにより、睡魔が襲ってきたようだった。
いかんいかんと思いながらも、気を抜けば眠れそうだった。
「あー、無理か。ごめんね。ちょっとだけ寝させて」
「……」
頷いた少女に、ありがとうと言って、雄大は目を瞑った。数秒経った程度で寝息が聞こえた。
「……」
少女は雄大の顔を、いや、雄大から漂うにおいを感じていた。
血の匂い、甘い香りがすると。
こくりと唾を飲んだ。寝ている今なら、簡単に食べられる、食べさせてくれる。
顔を近づけ、喉元に噛みつこうと。
「……」
止めた。
食べようとした瞬間、雄大の笑顔が何度もリピートされたのだ。
顔を離す。笑顔じゃないけど、安らぐ寝顔だった。


