誰かと思い見たが、誰一人として少女を救おうとはせず、恐怖に怯えていた。
少女と男が相対する。
「座って――」
「見せて」
脳が、ひび割れた。気がした。
ガラスのよう、小石を投げられた。男は頭を押さえる。
「見せて、甘いの、甘い、甘いの、見せて、視せて、観せて」
「あ、あ……」
銃を持つ右手がこめかみに移動する。
いやだ、いやだいやだいやだ死にたい、いやだよ、死にたいいや、死にたい死ぬ死ね死ね死ね死ね――!
脳の命令が変わった。
尋常じゃない汗を流し、男は引き金を。
「あ、あぁああぁぁぁ!」
銃声――。


