「ぬ、この毒はそちからか。はよう、やめぃ。不愉快じゃ!」


「そう言われても、精製してから二十分はそのままで……」


「なんじゃと!まったく、これだから人間は、無能な!」


大層ご立腹な女の子は、ひたすらにトゥエンティを睨むが、りすみたいなくりくり目が睨んでもあまり凄みはない。


「君は……人間じゃないの……?」


「左様。わしは誉れ高い吸血鬼の元祖じゃ!あ、吸血獣という輩もおるが、間違えるではないぞ!あくまでもわしは吸血鬼の元祖、ともかく、すごーく、偉いのじゃ!シャルロッテ様と敬うが良い!」


発育が乏しい胸を張りながら、自慢げなシャルロッテにトゥエンティは困惑した。


何せ、吸血鬼の元祖ときた。にわかには信じられないが、でもこの毒が効かないことから人間でないのが分かる。