もたつく手で金を麻袋にいれている。
「怖くないよ、お兄ちゃんがついているから」
小声で少女に囁きながら、見せるものじゃないと、麦ワラ帽を目深にかぶせた。
欲張るにもほどがあるほど、男はいくつもの麻袋に金を詰め込ませていた。
ちらつく拳銃に、どこからともなく、ひっという短い悲鳴が聞こえる緊迫するムードの中。
パトカーのサイレンが聞こえた。
あからさまに挙動不審になった男。目を泳がせて、女性職員の顔に銃口を押し付けた。
「てめぇ、警察なんか呼びやがって」
女性特有の悲鳴を聞いて、雄大はいてもたってもいられなくなった。
近くにいた人に少女を預け、立ち上がる。
「落ち着いてください、話し合いましょう」
一定の距離をあけて、穏やかな声で話しかけた。


