少女の頭をわしわししながら、せめて楽しい思い出を作らせてあげようと雄大は思いついた。
「なんでも、なんでも?」
「そうだよ。好きなこと言ってごらん」
「甘い、甘いの、いっぱい」
「ええ、また甘いのか。食いしん坊だなぁ、ちょっと待ってて――って、まず」
ソフトクリームをまた買おうと思ったが、財布にお金がなかった。
「おろさなきゃダメか……今月厳しいんだよなぁ、いやいや、子供に楽しい思い出を作るのが先決だ」
うしっ、と頷いて少女の手を取る。
「銀行でお金おろしたあと、ファミレスいこっか。甘いものいっぱいだぞー」
「甘い、いっぱい、いっぱい」
心なしか、少女が喜んでいるように見えた。


