いつの間に。確か、先ほど見たときは女の子などいなかったはずだ。


フリフリのドレス、ゴスロリというものか、それがよく似合う人形みたいな女の子で、手にはテディベアを抱えている。


思考するため、ついつい忘れてしまった。


「――、息を吸っちゃダメだ!まだ毒が!」


残留する毒の圏内に女の子はいる。


この毒は十秒で致死量になる毒だ、もう遅い、こんな子供までもとトゥエンティは目を瞑ったが。


「まったくもって不愉快じゃ!適当に異世界旅行するもんではないのぅ。のっ、ジエロ」


「……、え」


目を開ければ、女の子はテディベアに声をかけていた。


「なん、で……。生きて……」


当たり前の疑問がトゥエンティの口から出る。ここでようやっと、女の子のくりくりした眼差しがトゥエンティを見た。