まさか激励されると思ってなかったか、困惑気味の顔に、CMでもいけそうな爽やかな笑顔をして雄大は去った。


――そうだ。講義終わったら、今日も献血に行こう。


とか考えながら、大学に行く足を早める。


おばあさんのせいに雄大は決してしないが、遅れそうなのは事実。


だが、いつものことなので雄大にはある秘策があった。


近道である。


ホテル街、人気のない場所と危なげだが、人間話せば分かる説を信じる雄大に怖いものなどなかった。


慣れた足取りでビルとビルの間にできた路地を抜けようとする。


その途中。


「あれ」


「……」


女の子が、そこにいた。


「どうしたの、君」


場所が場所、見た目からして五歳にもなってないような小さな少女が一人でいるのを雄大は放っておけなかった。