「ああ、せっかくお友達になりたかったのに……」


涙が出てきた。

夢を挫かれた気分に陥って。


人間も妖怪も、ううん、どんな生き物だって、何の隔たりなく楽しく一緒に生きられたらいい。その第一人者として、私はみんなとお友達になりたいのに。


「やっぱり、私には……」


ぽたりと地面に涙が落ちたあたりで、大きな影が被さった。

顔をあげれば、目の前にはあのトカゲ顔。


『……』


ペロリ、と顔を舐められた。いや、恐らくは涙だけ舐めとろうとしたのだけで大きすぎて顔全体という。


「って、そうじゃない!……慰めてくれるの?」


『……』


頬を擦り寄せてくるドラゴン。


ざらざらした皮膚だったが、なんだか優しく感じられた。