全部、トゥエンティがしたことだった。

「こんな……こんなことするつもりはなかったのに……!」


歯を噛み締めて、零れる涙を頬で感じていた。


――トゥエンティは殺人を嫌悪し、己が体を呪っていた。


当初は自分の意思で毒霧を操れていたが、トゥエンティの性格を見抜いた研究者たちが、このままでは兵器として支障が出ると、彼の体にチップを入れ、電撃を送っていた。


電気ウナギと同じく原理で、自分に身の危険が迫れば毒霧を噴射するようにできている。


今や、強制的。


殺したくないトゥエンティの意思は無視されていた。


今日とてそう、ただ今日はいつもと違った。


「うー、なんじゃこの霧は……!」


驚いた。

というのも、女の子がそこにいたからだ。