(二)


神々しいにもほどがあると思った。


いつも通りに、水竜を呼んでいたのに、あらびっくり。


「えっと……妖怪じゃ、ないよね」


西洋の代物が湖から出てきてしまった。

普通の人が見たら卒倒するかもしれないけど、幸いここは、ヘリコプターも通らない深い森の中。


この神々しさの塊を私は一人独占状態だった。


「わー、きれー」


『……』


白いドラゴン。
巨大で、羽が四枚ある。トカゲみたいな頭を持ち、鎌首をもたげていた。胴体には文字らしい彫刻が施されている。


「ねえねえ、私とお友達になろうよ!」


この際、妖怪じゃなくてもオーケーでしょ。だって、こんな綺麗な子とお近づきになりたいんだもの。