パチンとシャルロッテが指を鳴らせば、つららが粉々に砕けた。


痛みで立ち上がることができないまま、目だけでシャルロッテを見る。


「痛みに対する恐怖がある輩が、“死ぬことを夢見る”ではない。これだから人間は嫌いなんじゃ、何かにつけて、死んで逃げる輩が多い」

シャルロッテの周りに、青い魔方陣が生まれた。


「勘違いも甚だしい。死ぬことで全てが帳消しになるものか、お前一人で世界が成り立っているわけではないのだからな」


もうここにはいたくはないという雰囲気で、シャルロッテは魔方陣の中に入った。するとどうだろう、シャルロッテの姿が消えたではないか。