「……お、母さんが帰ってから……」
涙を流し、ただキミを見て
いつものようにキミを撫でていたボクに
お母さんは目を潤ませながら話し出した。
「……すごく…元気で……ずっと膝の上で寝てて…………お父さん、が帰ってきた時も……元気、にしっぽ振って……」
お母さんの唇がふるえてる。
「……コタツの………中に入って寝てたんだけど……フッと…お母さんの足に何かが触れたの…………」
コタツ……キミの好きな場所だね。
冬はよくコタツの中に入り込んで眠って、「ハァハァ」と舌をだして出てきたよね。
「何かなって思って……コタツの中見たら……動かなくて、急いで…………………病院に行ったけど……もう遅くて……“死んだ”って…………」
14年
キミがボクの家に来て14年


