すごい人なんだなと思うと、自然と頬が緩んだ。


「お祭りって、賑やかなの?」

「翠鳳国1の街だからね、とても盛り上がるわ。屋台とかいっぱい出るし、」

「屋台!わあ、行きたい行きたい!」


くるくると表情が変わるのを見て、架凛はクスクス笑う。

この笑顔を見れるならと、密かに思わずはいられない。


「お祭りは1ヶ月後よ。それまでに或茉の街を歩けるようになりましょう。迷子にならないように。」


大きく頷く彼女を見て、心とは裏腹にこちらも笑顔になる。


(旅人を探しにきたわけでは無いはず。祭りへの参加はもっと前から決まっていたわ。)


だが、なぜいきなり隊長格が街の祭りに参加をするのか。

疑問は膨らむばかりだ。


(真郷はきっと答えないわね。それなら彼女に聞くしかないか。)


この訪問には何か裏がある。

この考えに間違いは無いはずと、カルテットの森に戻りながら架凛は考えていた。

千夜の頭から離れなかったのは、眠り続ける子どもたちの顔と、優しそうな笑みで彼らを診る架凛の表情だった。