「花音ちゃん、しっかりポールにつかまって。そう、そんな感じで立っていた時の事の感覚を思い出しながら。両足に力を入れて…ほら!立てた!」


「わぁ!翔くん、見て!あたし立てたよっ!」


夏休みも残すとこ、あと3日。


花音が立った。


「すごいな、花音。頑張ったな?」


「うんっ!」


「さぁ、ゆっくり車椅子に座ってみて。もう一度立ってみよう」


立つ、座るの動作を繰り返して、今日のリハビリは終わり。


ロビーに移動して、いつもと同じように缶コーヒーを飲む。