◆ ◆ ◆
空一面に広がった茜色は、ダットの街中を往来する人々にも色を落とす。
宵が近くなっても賑わう大通りは、昼間に歩くときよりも熱気が漂っているような錯覚を生む。
ロンドたちと別れた後、マテリアは宿屋への道を鼻歌混じりで進んでいく。
「ハミルと会えてから上機嫌だな。わかりやすいヤツ」
後ろを歩いていたビクターが、マテリアの隣に並ぶ。
「当たり前だろ。まさか私が死んで百年経った後に、ハミルと会えるなんて思わなかったんだから」
「その割には、会う寸前まで忘れてたよな」
「人が気にしていることを……」
マテリアは恨めしさをこめてビクターをにらむ。
自分自身が信じられない。あれだけ一緒にいたハミルを忘れるなんて。
今は忘れていたことが嘘のように、ハミルとの思い出が胸に詰まっている。
彼を思い出せて、本人とも会えた。
百年後に甦ったことを、心の底から嬉しく思う。
(まだ自分が死んだ辺りは思い出せないけど、まあいいや。ハミルを思い出せたから)
左の獣傷をなでながら、マテリアは破顔した。
「明日もハミルと夕方に会う約束ができたし、またいろんな話ができる。ビクターも来るか?」
「オレはやめとく。せっかくの再会を邪魔しちゃあ、ハミルに恨まれそうだからな」
空一面に広がった茜色は、ダットの街中を往来する人々にも色を落とす。
宵が近くなっても賑わう大通りは、昼間に歩くときよりも熱気が漂っているような錯覚を生む。
ロンドたちと別れた後、マテリアは宿屋への道を鼻歌混じりで進んでいく。
「ハミルと会えてから上機嫌だな。わかりやすいヤツ」
後ろを歩いていたビクターが、マテリアの隣に並ぶ。
「当たり前だろ。まさか私が死んで百年経った後に、ハミルと会えるなんて思わなかったんだから」
「その割には、会う寸前まで忘れてたよな」
「人が気にしていることを……」
マテリアは恨めしさをこめてビクターをにらむ。
自分自身が信じられない。あれだけ一緒にいたハミルを忘れるなんて。
今は忘れていたことが嘘のように、ハミルとの思い出が胸に詰まっている。
彼を思い出せて、本人とも会えた。
百年後に甦ったことを、心の底から嬉しく思う。
(まだ自分が死んだ辺りは思い出せないけど、まあいいや。ハミルを思い出せたから)
左の獣傷をなでながら、マテリアは破顔した。
「明日もハミルと夕方に会う約束ができたし、またいろんな話ができる。ビクターも来るか?」
「オレはやめとく。せっかくの再会を邪魔しちゃあ、ハミルに恨まれそうだからな」


