永劫の罪人 光の咎人

 どこからか声が聞こえてくる。

「……ハミル」

 ハミルの耳に響く、懐かしい声。
 未練がましい幻聴かと、一人苦笑する。

「ハミル!」

 気のせいと思った声が大きくなる。
 ハミルの耳を確かに揺する、少女の声。

 いるはずがない者の声なのに……。
 ついに自分は狂ってしまったのかと、本気で思った。

 トスッ。
 何かが教会を囲む塀から落ちてくる。

 ハミルが顔を上げて、音のしたほうを見やると、見慣れた少女がこちらへ走ってきた。

 少女は跳び上がり、ハミルの元へ飛びこむ。

 きっと直前で消える幻だろう。
 そう割り切りながらも、ハミルは少女を受け止めようと両手を広げる。


 手が届く直前になっても、彼女は消えなかった。


 抱きとめた重みは予想できなかった。
 虚を突かれて、ハミルは少女に胴を抱えられながら後ろへ倒れこむ。

 幻、じゃない?
 事態が呑みこめず、ハミルの意識は白ばんだ。