◆ ◆ ◆
街をひと通り回って教会へ戻ってくると、教会の前ではおびただしい数の民衆が集まっていた。
何とかして馬車に近づこうとするが、僧侶たちが懸命に人々を抑え、馬車の道を作ってくれた。
馬車が無事に教会の敷地へ入ると、ハミルは内にこもった熱気を吐き出し、馬車から降りようとする。
が、隣で動かないロンドに気づき、ハミルは小さく彼の体を揺さぶった。
「ロンド、着きましたよ」
「え……は、はい、すみません」
我に返ったロンドだが、膝が震えて立てないようだ。
ハミルは彼の手を取り、ゆっくりと立ち上がらせる。
「ハミル様、やっと終わったんですね。僕、恥ずかしくて……」
未だロンドの頬は紅潮したままで、心なしか大きな瞳も潤んでいる。
気の毒だとは思うが、今はこれ以上気づかう余裕はない。
いつもの笑みを作れず、ハミル自身でも顔の強張りがわかった。
「あの、どうなされたのですか? そんなに思いつめた顔をされて」
「……いえ、ちょっと人々の熱気にあてられて。少し気持ちを落ち着けたいので、先にヴィバレイ様のところへ行ってもらえますか? 私は中庭にいますから、もし用があれば呼びに来てください」
できるだけ心配させないように出した声は、普段より低くて重い声。
これが本当に自分の声なのかと、ハミルは内心驚く。
「わかりました。ヴィバレイ様への報告は僕がさせていただきますから、ハミル様はゆっくり休んでください」
心配そうな目をしながらも、ロンドは人懐っこい笑顔でうなずいてくれた。
街をひと通り回って教会へ戻ってくると、教会の前ではおびただしい数の民衆が集まっていた。
何とかして馬車に近づこうとするが、僧侶たちが懸命に人々を抑え、馬車の道を作ってくれた。
馬車が無事に教会の敷地へ入ると、ハミルは内にこもった熱気を吐き出し、馬車から降りようとする。
が、隣で動かないロンドに気づき、ハミルは小さく彼の体を揺さぶった。
「ロンド、着きましたよ」
「え……は、はい、すみません」
我に返ったロンドだが、膝が震えて立てないようだ。
ハミルは彼の手を取り、ゆっくりと立ち上がらせる。
「ハミル様、やっと終わったんですね。僕、恥ずかしくて……」
未だロンドの頬は紅潮したままで、心なしか大きな瞳も潤んでいる。
気の毒だとは思うが、今はこれ以上気づかう余裕はない。
いつもの笑みを作れず、ハミル自身でも顔の強張りがわかった。
「あの、どうなされたのですか? そんなに思いつめた顔をされて」
「……いえ、ちょっと人々の熱気にあてられて。少し気持ちを落ち着けたいので、先にヴィバレイ様のところへ行ってもらえますか? 私は中庭にいますから、もし用があれば呼びに来てください」
できるだけ心配させないように出した声は、普段より低くて重い声。
これが本当に自分の声なのかと、ハミルは内心驚く。
「わかりました。ヴィバレイ様への報告は僕がさせていただきますから、ハミル様はゆっくり休んでください」
心配そうな目をしながらも、ロンドは人懐っこい笑顔でうなずいてくれた。


