永劫の罪人 光の咎人

「どうせ働いてないんだから、もっとゆっくり寝ればいいだろ。元農民だから早起きってか? ……うん? 外が騒がしいな」

 外の賑わいに気づき、ビクターは目をこすりながら窓を見る。

「そうなんだ。祭りでもあるのかな?」

 マテリアは窓から身を乗り出して外を眺める。
 宿の前の通りでは、両脇に多くの人が集まり、間近にいる者と談笑していた。

 真下の声を拾おうと、マテリアは耳をすます。野太い中年の声と、しゃがれた老婆の声が聞こえてきた。

『どうしたんだ、この騒ぎ?』

『あんた知らないのかい? 教会がこの間、百年前の教皇様を生き返らせたんだよ。その方を見せるために、これからパレードをするんだよ。ありがたや、ありがたや』

『百年前の教皇様だって?』

『ああ、そうだよ。教会で復活の儀式を見た者たちが、あの方を街の者に見てもらいたいと言い出してなあ。ま、アタシもそのうちの一人なんだけどねぇ』

『その教皇様がここを通るのか。そりゃ楽しみだ』

 百年前の教皇……その言葉に、マテリアの鼓動が大きく脈打つ。

(私が小さい頃の教皇は、ヨボヨボの爺さんだったな。その次は……あれ、誰だっけ?)

 まったく馴染みもない老教皇は思い出せるのに、自分が大きくなってからの教皇は思い出せない。
 マテリアが何度も首をかしげていると、後ろからビクターに肩を叩かれた。