ハミルが返事を待っている。ちゃんと説明したいのに、言葉がなかなか出てこない。
ロンドは沈黙に耐えかね、再び謝った。
「その、本当に申し訳ありません」
もう一度頭を下げようとしたロンドを、ハミルは首を振って制する。
「……謝らないでください。理由があって私を甦らせたのでしょう? 私の力が必要ならば、喜んで力になりますよ」
きっと勝手に生き返らせたという困惑や、憤りもあるだろう。
それを呑みこんで、すべてを受け入れる慈悲の心。
思わずロンドの目頭が熱くなり、涙がこみ上がりそうになる。
(ああ、この方は文献に書かれている通り、徳の高い教皇様なんだ。悪しき心どころか、こんなにもお優しい)
マテリアといい、ハミルといい、秘薬の副作用が働いているようには思えない。
彼らの人柄と、光の精霊のご加護があったのだろうと、ロンドは心の中で感謝の祈りを捧げた。
「顔を上げてください、ロンド」
言われるままにロンドは頭を上げる。そこには優雅に微笑むハミルの顔があった。
「ロンド、貴方が今の教皇なのですか?」
「いえ、僕は……まだ未熟者ですが、次期の教皇として精進している最中です。今の教皇様はヴィバレイ様と言って、この奥のお部屋にいらっしゃいます」
ロンドが廊下の奥を指差すと、ハミルは小さくうなずいた。
「そうですか。では、ヴィバレイ様にお話をうかがいに参りますね」
「わかりました。こちらへどうぞ」
案内しようとしたロンドを、ハミルがそっと肩に手を置いて引き止める。
「私一人で行かせてください。今の教皇がどのようなお人なのか、しっかり見定めたいので……きっと話も長引くでしょう。疲れている貴方に、無理はさせたくありません。どうか、ゆるりと休んでください」
自らも疲れているだろうに、気づかってくれるなんて。
ここで首を横に振れば、ハミルの心づかいを無駄にしてしまう。
ライラム教の経典には、『人の好意を素直に受け取ることも、また徳を高める道』だと記されている。
少々後ろ髪を引かれる思いだったが、ロンドは「ありがとうございます」とうなずいた。
ロンドは沈黙に耐えかね、再び謝った。
「その、本当に申し訳ありません」
もう一度頭を下げようとしたロンドを、ハミルは首を振って制する。
「……謝らないでください。理由があって私を甦らせたのでしょう? 私の力が必要ならば、喜んで力になりますよ」
きっと勝手に生き返らせたという困惑や、憤りもあるだろう。
それを呑みこんで、すべてを受け入れる慈悲の心。
思わずロンドの目頭が熱くなり、涙がこみ上がりそうになる。
(ああ、この方は文献に書かれている通り、徳の高い教皇様なんだ。悪しき心どころか、こんなにもお優しい)
マテリアといい、ハミルといい、秘薬の副作用が働いているようには思えない。
彼らの人柄と、光の精霊のご加護があったのだろうと、ロンドは心の中で感謝の祈りを捧げた。
「顔を上げてください、ロンド」
言われるままにロンドは頭を上げる。そこには優雅に微笑むハミルの顔があった。
「ロンド、貴方が今の教皇なのですか?」
「いえ、僕は……まだ未熟者ですが、次期の教皇として精進している最中です。今の教皇様はヴィバレイ様と言って、この奥のお部屋にいらっしゃいます」
ロンドが廊下の奥を指差すと、ハミルは小さくうなずいた。
「そうですか。では、ヴィバレイ様にお話をうかがいに参りますね」
「わかりました。こちらへどうぞ」
案内しようとしたロンドを、ハミルがそっと肩に手を置いて引き止める。
「私一人で行かせてください。今の教皇がどのようなお人なのか、しっかり見定めたいので……きっと話も長引くでしょう。疲れている貴方に、無理はさせたくありません。どうか、ゆるりと休んでください」
自らも疲れているだろうに、気づかってくれるなんて。
ここで首を横に振れば、ハミルの心づかいを無駄にしてしまう。
ライラム教の経典には、『人の好意を素直に受け取ることも、また徳を高める道』だと記されている。
少々後ろ髪を引かれる思いだったが、ロンドは「ありがとうございます」とうなずいた。


