永劫の罪人 光の咎人

 鼻筋の通った秀麗な顔は男性のものだとわかるのに、見目のよい女性よりも整っていた。
 銀糸の長髪は光に照らされて輝き、神々しさを強めている。しかし虚ろで深い蒼の瞳が、どこか妖艶さを感じさせた。

 ロンドが小走りに棺に近づくと、青年はゆるやかな動きでこちらを見上げる。

(これが百年前の教皇、ハミル様)

 間近でハミルを見ると、ミイラだったとは思えない肌の透明さや、薄い紅に染まった唇に目を奪われる。

(僕と同じ人間とは思えない。本当は天上の神様なんじゃあ……)

 ロンドの動悸は早まっていく。

 次第にハミルの目に力が戻っていく。
 焦点が合い、彼はロンドの姿を捕える。

「手を……貸してくれませんか?」

 青年にしては柔らかな、耳に心地よい声。

 あわててロンドが腰を屈めて手を差し出すと、ハミルは手を乗せてきた。
 華奢だが大きな手。温かな重みは、彼が生きているという実感を与えてくれる。

 ハミルが立ち上がると、それだけで存在感は強まる。
 この世のすべてを受け止めてくれるのでは、とさえ感じさせる包容力。そのせいか体躯は中背だが、大きいように思える。
 それは現教皇のヴィバレイも、ロンドも持たない資質だった。