永劫の罪人 光の咎人

 外に出てからもマテリアは紙に飽きず、指でこすり合わせていた。
 ビクターが子供をあやすように、マテリアの頭をなで回す。

「そんなに紙が面白いのか、ん?」

「昔はもっとゴワゴワして分厚かったから。羊の革だったし」

「今じゃ羊の革を紙がわりにするなんて、奥地の遊牧民くらいしかやらねぇぞ」

「……ふーん」

 関心しながらマテリアは依頼書を広げ、ジッと眺めた。
 書いてある文字に、いくつか知らない言葉がある。前後の文字を読めば意味はつかめるが、違和感は消えない。

 マテリアが時の流れを感じていると、ビクターがマテリアの肩に手を置き、紙をのぞきこんできた。クセのある髪は、紙面に載った影にも映りこんでいる。

「報奨額は安めだが、これで三か月ぐらいは金に困らないな」

 マテリアが見上げると、ビクターは楽しそうに笑っていた。

「世話になっている身だからな。私なりに頑張らせてもらうよ」

「いい心がけだ」

 今度は力を入れてワシワシと、ビクターはマテリアの頭をなでくり回した。