永劫の罪人 光の咎人

「オレのおごりだ。どこかで座って食べようぜ」

「ありがとう、ビクター」

 パルグを受け取り、マテリアは鼻を近づけて匂いをかぐ。
 なぜか懐かしさがこみ上げて、目が潤みそうになる。

 あわててマテリアは首を振り、気持ちを切り替える。
 頭を上げると、ビクターはロンドにもパルグを渡していた。

「ありがとうございます、ビクター様」

 頭を下げるロンドへ笑いかけてから、ビクターはガストの前に立つ。

 そしてガストにはパルグでなく、手を差し出した。

「おっさんからは金取るぞ」

「……お前におごられても、気味が悪いだけだからな」

 眉根を寄せながらつぶやくと、ガストは懐から銅貨を一枚渡し、パルグを受け取った。

「ちょうど近くに公園がありますから、そこへ行きましょう」

 ロンドの提案にマテリアたちはうなずき、前へ歩き出す。

 大きな十字路に差しかかると、街角にある一軒のさびれた店が、マテリアの目に入ってきた。

 店先には、古めかしい壺や椅子、石の置物などが置かれている。
 奥のほうまで物にあふれており、店内をうす暗くしている。どうやら骨董店のようだ。

 そんな店先の隅に、見覚えのある物を見つけた。
 大きな木の彫り物。異国からの品らしく、縦につながった奇妙な顔が五つ並んでいる。

(あれ、見たことある。店の前を通りすぎるとき、いやでも目についたもんな。はは、ここが百年後のダットの街なら、百年も売れてないってことか)

 マテリアは小さくふき出してから、はたと思い出す。