永劫の罪人 光の咎人

「マテリア様?」

「あ、ごめん」

 あわててマテリアはロンドに瞳を戻すと、話題をごまかした。

「そ、そうだ。昨日ロンドって法衣着てたけど、ライラム教の僧侶?」

 少し寂しそうに笑い、ロンドは首を縦にふった。

「はい。百年前と同じく、この国で信仰されています。昔に比べると、熱心に信仰されている方は減っていますけれど」

「へえー、そうなんだ。あ、思い出した。そういえばライラム教の聖誕祭のときは、国民全員がダットに集まって、すごい盛り上がってたなあ」

 ロンドと話すごとに、当時の様子や風習がマテリアの頭に浮かんでくる。
 空っぽだった自分に、新しく詰め物を入れている感じがして楽しい。

「今では信じられませんよ。聖誕祭は今も行われますけど、教会周辺に出店が並ぶくらいの、小さなお祭りみたいなものですから」

 そう言うと、ロンドは大きくため息をついた。

「この調子だと僕の代になったら、聖誕祭さえできなくなっているかもしれませんね」

「僕の代? もしかして、ロンドって次の教皇?」

 ロンドはためらいがちに、こくんとうなずいた。

「はい。隠していたわけではないのですが」

 驚いて目を丸くしたマテリアとビクターの視線が、ロンドを突き刺す。
 いくら以前よりも勢いを落としているとはいえ、教皇という肩書きは軽んじることなどできない。