永劫の罪人 光の咎人

 うまく言葉が頭に入らず、マテリアは首をかしげる。

(……私が死んでいた? 今こうして話をして、息をしているのに?)

 にわかに受け入れがたい話だ。
 だが、死という言葉が浮かんだ矢先、マテリアの胸に吐き気がこみ上げ、思わず顔をしかめる。

 悲しげにロンドは目を伏せた。

「どうして亡くなられたのかはわかりません。ただ、その……国に混乱をまねいた大罪人と伝わっています。言いにくいことですけれど……マテリア様は『永劫の罪人』という烙印を押され、街中に亡骸をさらされていたそうです」

 だんだん身に覚えのない肩書きが大きくなっていく。
 話を聞かされても実感が持てない。

 困惑したマテリアは、目を閉じて考えこむ。
 瞼が光をさえぎり、マテリアに闇を見せる。

(私は……これより深い闇を知っている)

 そう思った瞬間、マテリアの腕に鳥肌が立った。
 あわてて目を開け、身震いをした。

(……死んだのか、私。そして骸もさらされて……)

 自分の身体が腐り、骨だけになり、塵となり。
 考えただけで寒気が走り、マテリアは自分の身を抱き締める。

「気分を悪くさせるような話ですみません」

 心配の色を見せたロンドへ、マテリアは小さく笑いかけた。

「大丈夫。構わず続けて」

 あまり心配させたくないのに、うまく笑えない。
 ぎこちない表情のマテリアへ、ロンドはためらいながら説明を続けた。

「は、はい……マテリア様が亡くなられて百年後、僕がいる教会から死人還りの秘薬が盗まれました。盗んだのは国の混乱を望む賊。悪名高かった貴女を甦らせ、この国を混乱に陥れようとしていました」

「そして私は生き返った、と」

「はい。マテリア様の気持ちを無視して、このようなことになってしまい、申し訳ありません」