闇の中にぼんやりと浮かぶ棒状の影が並ぶ地と、そこへ馬を走らせていく男の影が見える。
早く追いつきたいのに、ロンドが一歩近づくたびに空気は重くなり、思わず息が止まりそうになる。心なしか馬の走りも鈍い。
辺りに木々が生え、大地は腐葉土に覆われている中、そこだけは青々とした雑草が根を生やしていた。
大地には錆びて朽ちかけた槍が、一カ所に何本も突き刺さっている。
少し触れただけで折れそうだ。しかし、街の人間が誰も近づこうとしないため、今もこうして残っている。
街の人間なら、誰でもこの地を恐れる。
(ここは『永劫の罪人(えいごうのつみびと)』の亡骸がさらされていた地。まさか……)
賊たちの狙いにロンドは気づき、血の気が引いた。
気持ちだけが先走るばかりで、ロンドの体は思うように動かない。
けれど男は重々しい場の空気に圧されることなく、変わらぬ速さで駆けていく。
男が馬の足を止め――「そーれっ!」という、気の抜けたかけ声を出した。
「やめてください!」
ロンドはありったけの声を男にぶつける。
「小瓶を返してください! でないと、大変な事態になってしまいます」
こちらの叫びに男が振り向いた。布を巻いて顔を隠しているが、不思議と殺気はなく雰囲気が軽い。
「ああ、いいぞ」
男がこちらに近づき、小瓶を投げ渡してきた。ロンドはあわてて小瓶を受け取り、目をまたたかせる。
だが、すぐ違和感に気づいてハッとした。
小瓶から光が消えている。
早く追いつきたいのに、ロンドが一歩近づくたびに空気は重くなり、思わず息が止まりそうになる。心なしか馬の走りも鈍い。
辺りに木々が生え、大地は腐葉土に覆われている中、そこだけは青々とした雑草が根を生やしていた。
大地には錆びて朽ちかけた槍が、一カ所に何本も突き刺さっている。
少し触れただけで折れそうだ。しかし、街の人間が誰も近づこうとしないため、今もこうして残っている。
街の人間なら、誰でもこの地を恐れる。
(ここは『永劫の罪人(えいごうのつみびと)』の亡骸がさらされていた地。まさか……)
賊たちの狙いにロンドは気づき、血の気が引いた。
気持ちだけが先走るばかりで、ロンドの体は思うように動かない。
けれど男は重々しい場の空気に圧されることなく、変わらぬ速さで駆けていく。
男が馬の足を止め――「そーれっ!」という、気の抜けたかけ声を出した。
「やめてください!」
ロンドはありったけの声を男にぶつける。
「小瓶を返してください! でないと、大変な事態になってしまいます」
こちらの叫びに男が振り向いた。布を巻いて顔を隠しているが、不思議と殺気はなく雰囲気が軽い。
「ああ、いいぞ」
男がこちらに近づき、小瓶を投げ渡してきた。ロンドはあわてて小瓶を受け取り、目をまたたかせる。
だが、すぐ違和感に気づいてハッとした。
小瓶から光が消えている。


