「今日ここを離れるから、挨拶しに来たんだ。いろいろとロンドの世話になったのに、お別れできないなんて寂しいからさ」
マテリアはロンドの腕をつかんで引き寄せると、首へ腕を回してきた。
穏やかな抱擁に、ロンドの頬はおろか、耳や首元まで赤くなる。
「……ありがとう」
ロンドにしか伝わらない、小声の感謝。
マテリアが体を離した後も、ロンドの耳にずっと残り続けた。
山際から頭をのぞかせた朝日に顔を向け、ビクターは深く息をつく。
「さて、そろそろ行こうか。アスタロのところに寄る時間がなくなるぞ」
「そうですね……マテリア、ほかに伝えることはありますか?」
これで別れてしまうのか、とロンドは顔を曇らせるが、マテリアの表情は明るい。
「今からアスタロにも挨拶しに行くんだ。会ってもらえるかわからないけど……それから別の大陸に渡って、ビクターが教えてくれた汽車っていうのに乗るんだ。しばらくしたら、こっちに帰ってくるよ。ダットからはいろんな国へ行けるしさ」
嬉しくて涙が出そうになる。旅立ちの日に泣くわけにはいかないと、ロンドは微笑みで涙を押し殺す。
マテリアはロンドの腕をつかんで引き寄せると、首へ腕を回してきた。
穏やかな抱擁に、ロンドの頬はおろか、耳や首元まで赤くなる。
「……ありがとう」
ロンドにしか伝わらない、小声の感謝。
マテリアが体を離した後も、ロンドの耳にずっと残り続けた。
山際から頭をのぞかせた朝日に顔を向け、ビクターは深く息をつく。
「さて、そろそろ行こうか。アスタロのところに寄る時間がなくなるぞ」
「そうですね……マテリア、ほかに伝えることはありますか?」
これで別れてしまうのか、とロンドは顔を曇らせるが、マテリアの表情は明るい。
「今からアスタロにも挨拶しに行くんだ。会ってもらえるかわからないけど……それから別の大陸に渡って、ビクターが教えてくれた汽車っていうのに乗るんだ。しばらくしたら、こっちに帰ってくるよ。ダットからはいろんな国へ行けるしさ」
嬉しくて涙が出そうになる。旅立ちの日に泣くわけにはいかないと、ロンドは微笑みで涙を押し殺す。


